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1990 年度 実績報告書

共生緑色渦鞭毛藻の宿主と内部共部藻の系統分類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63540554
研究機関国立環境研究所

研究代表者

渡辺 信  国立環境研究所, 生物圏環境部, 室長 (10132870)

キーワード緑色渦鞭毛藻 / Lepidodinium viride / カロチノイド / 共生藻 / プラシノ藻
研究概要

昭和63年度,平成元年度の研究において,三陸沖より分離,培養された緑色の渦鞭毛藻の宿主は,渦鞭毛藻網ギムノジニウム目に属する新属新種のLepidodinium virideとして記載されたが,本年度は共生藻の系統を明らかにすることを目的として,そのカロチノイド色素をHPLCを使って分析した。その結果,共生藻にはカロチノイド色素として,ネオキサンチン,ビオラキサンチン,アンテラキサンチン及びβーカロチンの他,2種類の未同定のピ-クが確認された。未同定のピ-クのうち1つは,retention timeにおいてルテインと類似するが,吸収スペクトルはルテインのそれと異なる。もう一方の未同定のピ-クは,量が極めて少いのでこれ以上の解析は困難であるが,ゼアキサンチンではないかと思われる。以上の結果をまとめると,共生藻は基本的には緑色藻類のもつカロチノイド組成を有しているが,ルテインをもたないことが大きな特徴といえる。これまで,共生藻は,クロロフィルa,bをもつこと,同化産物としてデンプンを生産することから,緑藻あるいはプラシノ藻由来と考えてきた。従来の緑藻及びプラシノ藻のカロチノイド色素の分析結果から,プラシノ藻の中には緑藻とは異なるカロチノイド色素をもつグル-プが3群みられるー即ち1)緑藻に通常にみられるカロチノイドに加えてシホネイシをもつもの,2)緑藻に常に,多量にみられるルテインがなく,ゼアキサンチンをもつもの,3)プラシノキサンチンをもつものーことが判明している。結論として,共生藻にはルテインがみられない,及びゼアキサンチンと思われる色素がみられることから,共生藻はプウシノ藻由来のもではないかと思われる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Suda,S.,Watanabe,M,M.& Inouye,I: "Evidence for sexual reproduction in the primitive green alga Nephroselmis olivacea (Prasinophyceae)" J.Phycol. 25. 596-600 (1989)

  • [文献書誌] Suda,S.,Watanabe,M.M.& Inouye,I.: "Morphological observationo on the vare guadriflagellate Pseudocarteria mucosa (Chlorophyceae,Volvocales)" Phycologia. 29. 54-64 (1990)

  • [文献書誌] Watanabe,M.M,et al.,: "Lepidodinium Viride gen,et sp.nov(Gymnodiniales,Dinophyta),a green dinoflagellate voith a chlorophyll aーand bーcontaining endosymbiont." J.Phycol.26. 741-751 (1990)

  • [文献書誌] Watanabe et al.,: "Major carotenoid of a chlorophyll aーand bーcontaining endosymbiont in a green dinoflagellnte,Lepidodinium viride (Gymnodiniales,Dinophyta)." Jpn J.plycol.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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