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1988 年度 実績報告書

嗅細胞膜の環状ヌクレオチド感受性イオンチャンネル

研究課題

研究課題/領域番号 63540557
研究機関北海道大学

研究代表者

鈴木 教世  北海道大学, 理学部, 講師 (10001851)

研究分担者 篠沢 隆雄  群馬大学, 工学部, 助教授 (30025449)
キーワード嗅受容機構 / 細胞内伝達 / 環状ヌクレオチド感受性イオンチャンネル / パッチクランプ / 開閉のダイナミックス / 単位コンダクタンス / 嗅繊毛膜の分離 / イオンチャンネル蛋白分子の同定
研究概要

嗅細胞の受容器電位の発生は、環状ヌクレオチドを細胞内メッセンジャーとする一連の酵素反応系によるとする、嗅細胞内伝達機構仮説に立って、受容器電位発生の最終段である環状ヌクレオチドによりゲートされるイオンチャンネルについて、研究計画に添って、以下の成果を得た。
1.嗅細胞各部での分布の確認: カエルの嗅細胞を酵素処理により高収率で単離し、パッチクランプ法で嗅細胞各部からインサイドアウト膜パッチを取り、環状ヌクレオチドを細胞内側から作用させる技法により、単一イオンチャンネル活動の記録に成功した。その結果、嗅繊毛ばかりでなく、デンドライト膜、細胞体膜にも分布していること、又、このチャンネルはC-AMPばかりでなく、C-GMPにも感受性を持ち、これらはチャンネル蛋白分子のリン酸化を介さずに直接作用することが明らかとなった。
2.単位コンダクタンスの測定及び開閉のダイナミックス: 予備的集計では、単位コンダクタンスは小さく、15pS内外、1μMc-AMP,c-GMPでの平均開時間は、25mSecであった。又反応一濃度関係より、これら環状ヌクレオチドのチャンネルに対する作用は、Hillの式に近似出来、協同的作用であること、その係数が2.5であることから、チャンネルの環状ヌクレオチド結合サイトは2又は3であることが予想された。
3.イオンチャンネル蛋白分子の同定: 粗製の嗅繊毛膜標本を材料とした、C-AMPについての光親和性標識では、主に35KDの蛋白分子が標識された。しかしその他に65KD,130KDなどの分子にも標識が見られ特異性に欠くため、イオンチャンネル分子と同定するに至らなかった。
そこで、より精製された嗅繊毛膜を出発材料とすることが先決と考え、Ca-ショック法で得られた嗅細胞先端膜を精製する技法の確立に力を注いだ。その結果、走査電子顕微鏡で検査しながら、蔗糖密度勾配遠心分離により、より純粋な嗅繊毛膜標本う得ることが出来た。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 篠沢隆雄: 生物物理. 28. 38-41 (1988)

  • [文献書誌] Fukunaga,S.: Microbiol.immunol.32. 115-117 (1988)

  • [文献書誌] Suzuki,N.: Chemical Senses. 13. 311 (1988)

  • [文献書誌] Suzuki,N.: Proc.Jap.Symp.Taste & Smell. 22. 189-192 (1988)

  • [文献書誌] Suzuki,N.: Chemical Senses. 14. (1989)

  • [文献書誌] Suzuki,N.(Ed.I.J.Miller,Jr.): "Cyclic nucleotide-induced conductance increase in solitary olfactory receptor cells.In The Beidler Symposium on Taste And Smell" Book Service Assoc.,Inc.Winston-Salemn, 173-181 (1988)

  • [文献書誌] Suzuki,N.(Eds.J.G.Brand et al.): "Chapter 23.Voltag-and cyclic nucleotide-gated currents in isolated olfactory receptor cells.In Chemical Senses: Molecular Aspects of Taste and Odor Reception." Marcel Dekker,Inc.New York, (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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