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1988 年度 実績報告書

ウニ未受精卵から酸性海水により抽出される卵割促進物質の分離・精製

研究課題

研究課題/領域番号 63540569
研究機関富山大学

研究代表者

小嶋 学  富山大学, 理学部, 教授 (80022565)

研究分担者 中村 省吾  富山大学, 理学部, 助手 (60134996)
キーワードウニ卵 / 卵割促進物質 / 酸性海水抽出物
研究概要

ウニ未受精卵からの酸性海水(PH4.5)による抽出物(Egg Extract,EE)は、未受精卵においては、前核の移動や単星状体の形成を、また、受精卵においては、卵割の促進や胚の動物極化をひきおこすことが見出されている。これらEEの作用のうち、特に卵割を促進する作用に注目して、その有効成分を精製・固定し、かつ,その作用機構を明らかにすることを、我々は研究の目的としている。
EE中の卵割促進物質は、大きく分けて、コロジオンバッグ透過性(分子量<12000)のものと、不透過性のもの(分子量≧12000)の2種類あり、ともに、ヌクレオチド、又は、ヌクレオシドを含むと考えられている。そこで、先づ、コロジオンバッグ透過性の卵割促進物質の精製から始めることにした。この物質は、熱に対して比較的安定であることが分かっているので,約80℃で加熱濃縮した後、BioGel P-6を用いてゲル濾過を行った。その結果、2つのピーク(P_a、P_b)が得られたが、そのうち、Pb文画のみに卵割促進効果が認められ、その分画の吸光度は280nmにおけるよりも260nmにおける方が高くなった。次に、このP_b分画を再度加熱濃縮した後、Bio Gel P-2を用いてゲル濾過を行った。その結果、3つのピーク(P_<b-1>、P_<b-2>、P_<b-3>)が得られたが、卵割促進効果が認められたのは、P_<b-1>分画のみであり、やはり、280nmよりも260nmの方が吸光度は高くなった。このP_<b-1>分画の分子量は、ゲル濾過方で推定した所、約500であった。更に、このP_<b-1>分画を精製するために、ODSC-18逆相カラムを用いての高速液体クロマトグラフィーを行った。その結果、20%メタノールで溶出されてくる、いくつかのピークの中の1つに、著しい卵割促進作用が認められた。この分画は、ニンヒドリン反応に陰性で、海水中での吸収極大値は、265.6nmであることから、やはり、卵割促進物質はヌクレオチド、もしくは、ヌクレオシドである可能性が非常に高い。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Manabu,K.Kojima;Masayuki,Fujitake;Shogo,Nakamura: Development Growth and Differentiation. 31. (1989)

  • [文献書誌] Manabu K.Kojima;Masayuki,Fujitake;Atsushi,Nishikawa;Shogo,Nakamura: Development,Growth and Differentration.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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