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1988 年度 実績報告書

視細胞内レチナール運搬タンパク質と光受容機能

研究課題

研究課題/領域番号 63540573
研究機関大阪大学

研究代表者

原 黎子  大阪大学, 理学部, 講師 (20075138)

キーワードレチナール / レチノール / ロドプシン / レチノクロム / レチナール結合蛋白質 / 視覚 / 網膜 / 視細胞
研究概要

スルメイカ網膜から分離精製された水溶性のレチナール結合蛋白質(RALBP)は、膜蛋白質として視細胞外節に存在するロドプシン(Rh)の光産物であるメタメロドプシンおよび、内節に存在するレチノクロム(Ret)の光産物であるメタレチノクロムとの間で、互のレチナールを交換することによって、それらをもとの色素に再生させることがin Vitroの実験で明らかになった。さらに眼杯を用いるin Vivoの実験によって、RALBPが視細胞内を内外節にわたって移動し、両色素と共にレチナールの再利用系を形成し、その有効な需給に貢献していることがわかった。RALBPが視細胞内に存在することは、暗順応させたイカ網膜の電顕用超薄切片に、RALBPに対する抗体を適用する金コロイドラベル法によって、その局在を検討した結果、RALBPが視細胞外節基端部の微絨毛膜および、内節のミエロイド小体膜に、RhおよびRetの分布と密接に関連して存在していることによって確かめられた(臼倉治郎氏の協力)。
ところでRALBPはレチナールと同様、レチノールもリガンドとすることができ、また網膜には、視細胞の内外節の境界付近に血管が分布していることから、視細胞と血液との間のレチノイドの流れが示唆されていた。今回、血液のレチノイド組成を調べたところ、11シス型レチノールが大部分を占め、他は殆んど検出されなかった。この11シス型レチノールがRhの発色団となるには、異性化の必要はなく、脱水素酵素によってレチナールに酸化されればよい。11シス型レチノールをリガンドとするRALBPを用意し、これを網膜の膜分画と混合して暗保したところ、リガンドはレチナールに変化した。全トランス型を持つRALBPの場合には何の変化もみられなかった。従って網膜の膜分画中には11シス型レチノールに特異的で、RALBPを基質とする脱水素酵素の存在が明らかとなり、視物質の再生・維持に関する血液の役割が注目されるに至った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] S.ーL.Fong: Vision Research. 28. 563-573 (1988)

  • [文献書誌] Akihisa Terakita: Vision Research. 29. (1989)

  • [文献書誌] Akihisa Terakita: Exptl.Eye Research. (1989)

  • [文献書誌] 原黎子: "光感覚維持機構:イカ網膜におけるレチナール結合蛋白質の役割 蛋白質・核酸・酵素" 共立出版, (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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