本年度の研究においては、材料としてヤマカガシを用い、以下について検討した。 1正常固体の血液Na、K、Ca、Mg、Pi、グルコース濃度およびヘマトクリット値 2外科的手法による副腎除去方の確立(なお、血管バイパス法による副腎除去については、本研究の準備段階でほぼ成功しており、今回はそれについてさまざまな条件で生存率の確認などが必要であった。 3上記方法による副腎除去が、血清塩、グルコールおよびヘマトクリット値に与える影響(術後5日および10日の影響) 4副腎除去固体に、コルチコステロンまたは対照投与としての生理食塩水の投与が、血清塩、グルコースおよびヘマトクリット値に与える影響 以上の結果 1.外科的副腎除去後の死亡率は季節によってかなり異なるが、夏期で約50%、秋期で約30%を示し(10日後までの死亡率)、かなり高い死亡率であることが明らかになった。 2副腎除去の結果、血清Na、Ca、Mgおよびヘマトクリット値には殆んど変化はみられなかった。一方、血清K値は大きく上昇し、グルコース値は著しく低下した。 副腎除去固体に対するコルチコステロンによるリプレースメントテラピーにより、血清グルコース濃度の低下と血清K濃度の上昇は抑制された。
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