研究概要 |
1.遺伝変異調査のための材料収集 (1).サンショウウオ類の材料を得るために、中国・東北・九州で採集を行い、広域分布種であるカスミサンショウウオ・トウホクサンショウウオの材料をいくつかの地点で得た。とくに分類学的に問題があると予想される中国産地産のカスミサンショウウオの材料を、従来の記録よりずっと東にある岡山・兵庫県境で得ることができた。 (2).イモリ類については中国・中部・九州で材料を得たが、とくに南九州については、かなりの密度で隣接する地点での材料収集を行うことができた。 2.電気泳動法による遺伝変異の調査 (1).サンショウウオ類については、泳動実験を継続中であるが、予想以上の遺伝変異が見出され、材料の収集地点を増やす必要が生じている。 (2).イモリについては順調に実験が進行しており、南九州に分布する遺伝的2型の分布境界もしぼられつつある、関東から東北産については一応の結果を出し終え、すでに学会発表(日本動物学会札幌大会)し、現在論文にとりまとめ中である。 3.系統関係の予備解析 コンピューターを用いて解析するための資料の揃ったイモリ科について、従来一般に行なわれているNeiの遺伝的距離に基づく解析結果を、PA-UPP,PHYLIPの2プログラムに基づく種々の方法で得られた解析結果と比較した。この結果は現在印刷中である。
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