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1988 年度 実績報告書

脳の可塑性と移植に関する形態学および行動学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63540604
研究機関(財)東京都神経科学総合研究所

研究代表者

市川 真澄  (財)東京都神経科学総合研究所, 解剖発生学研究室, 主事 (20124414)

キーワード神経回路の可塑性 / 神経細胞の移植 / 副嗅覚系神経路 / 嗅行動 / 機能回復 / ラット
研究概要

副嗅覚神経路は、フェロモン受容及びその行動発現に関係する神経路で鋤鼻器官、副嗅球、扁桃体内側核等により構成されている。脳損傷後の神経回路の再編成と機能回復との関連を明らかにする目的で、これまで、扁桃体内側核への求心線維の中で、副嗅球からのものを除去した際に、残存する求心性線維により神経回路の再編成が扁桃体内側核で起こることを形態学的に明らかにした(M,Ichikawa,Brain Res,1988)。
このような背景から、昭和63年度は、副嗅覚神経路に関わる機能を利用して、神経回路の再編成と副嗅覚機能の変化との関連を行動学的に研究した。雄ラットは雌の匂いを好むことから、副嗅覚機能として、この匂に対する嗜好性を指標に、副嗅球破壊後の変化を行動学的に調べた。その結果、副嗅球破壊後、一時的な障害(約2週間続く)の後、約1ヶ月後には回後が生じ、この時間経過はこれまで明らかにした神経回路の再編成の時間経過とよくにている。このことは、神経回路の再編成が機能回復に重要な役割を演じていることを示唆する(M,Ichikawa,Brain Res,(印刷中)。しかしながら、完全な回復はおきないことも明らかになった(最高で正常ラットの80%の回復)。完全な回復をおこすためには、損傷により消失した回路と同等の神経回路の形成が必要である。従って、神経細胞の移植の研究をおこなった。今年度は、移植神経細胞の宿主脳内での神経回路形成を明確にする目的で、移植する神経細胞を実験的に標識する方法を試み、螢光色素や植物レクチンで標識することが可能になった。今後は、この移植細胞が宿主脳内で新しく神経回路を形成するかどうか調べ、さらにこの神経回路形成が、いわゆる脳障害からの機能回復に有効かどうか、明らかにする目的で研究を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] MASUMI ICHIKAWA.: Brain Research. (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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