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1989 年度 実績報告書

脳の可塑性と移植に関する形態学および行動学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63540604
研究機関(財)東京都神経科学総合研究所

研究代表者

市川 眞澄  (財)東京都神経科学総合研究所, 解剖発生学研究室, 主事研究員 (20124414)

キーワード脳移植 / 可塑性 / 蛍光色素 / 植物レクチン / ラット
研究概要

これまで、ラットの副嗅覚系神経路で、損傷後の神経回路の再編成を調べ,されにこの再編成と嗅覚機能の回復との関連を示唆する結果を得ている。しかし、完全な回復はおきにくいことも明らかになった(Ichikawa,1989)。より完全な回復を得るには、消失したものと同等の神経回路を形成する必要がある。そこで、本年度は神経細胞の移植による神経回路の形成と機能回復との関連を研究する目的で、実験的に標識した細胞を移植する方法を開発し、移植細胞の神経回路の形成について形態学的に調べた。移植用細胞として、ラット胎仔の脳から取り出した細胞を、蛍光色素(Fast blue:FB)あるいは植物レクチン(PHAーL)を加えた培養液で数時間培養する。これらの細胞はFB,PHAーLを細胞内に取り込むことにより標識される。この標識細胞を、ラット脳内に移植して、適当な生存期間の後、組織標本を作成する。標識細胞が脳組織内に生着しているかどうか、蛍光顕微鏡あるいは免疫組織学的に調べた。生着しているものについては、さらにこの標識細胞が神経回路を形成するかどうか、電子顕微鏡を用いてシナプスを観察することにより検索した。
この結果、以下の成果を得た。(1)FBで標識した細胞は充分脳内に生着する。しかしながら、FBによる標識では、細胞体のみが標識されるため、標識細胞の突起によるシナプス形成の検索は不適であった。(2)PHAーLで標識した細胞は、成体の脳内で生着した、しかしFBの場合より生存率は低下した。また、PHAーLによる標識は、免疫組織学的にDABで染色することにより、樹状突起のかなり先まで染色された。しかし、軸索突起は染色されなかった。またDABの染色は電子顕微鏡による観察が可能である。従って、現在、PHAーL標識神経細胞のシナプス形成の有無を検索中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Masumi Ishikawa: "Recovery of olfactory behavior following removal of accessory olfactory bulb in adult rat" Brain Research. 498. 45-52 (1989)

  • [文献書誌] Masumi Ichikawa,Nobuhiro Noro: "Transplantation of labeled neuronal cells" Neuroscience Letter.Supplement. 10. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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