1.以下に述べる地域での地質調査および岩石試料採取を実施した。 (1)阿寺断層北端部周辺および岐阜県恵那・中津川の恵那山・屏風山断層の分布地域、など大規模な断層が分布する地域の花崗岩類について、地質調査を行い系統的なサンプリングを行った。 (2)上記の断層地域の花崗岩類と比較するため、大規模の断層の存在が認められない瀬戸内海北木島地域と山陰萩地域に分布する花崗岩類について、地質調査と系統的なサンプリングを実施した。 2.上記採取試料について、研磨薄片を作成しSEM観察に必要な表面処理を行った。 3.SEMによる2次電子像、燐光像、反射電子像の3種類の像を、同一試料の同じ場所で観察し、それぞれ像を比較・検討した、さらに、光学顕微鏡で同じ試料を観察し、これら3種類像が鏡下でどのように見えるかを観察した、この結果、以下のことがわかった。 (1)反射電子像は鉱物の種類の違いを明瞭に示すため、粒界割れ目の観察に敵している。この像を観察することにより、粒界割れ目を定量的に評価することが出来ることがわかった。 (2)燐光像については、花崗岩の構成鉱物では発光量が少ないため、昨年度までの検討結果では、検出が困難であった。しかしながら、今年度は表面処理方法、観察方法を工夫することにより、鮮明な燐光像を捉えることに成功した。 4.2ヵ年間の研究で得られた微小変形構造を正確に記載すると伴に、変形構造を整理、分類した。
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