研究概要 |
Sm-Ndの分析を新たに始めるためには当初予想していたよりも多くの時間を必要とすることが分ったため、今年度は(1)その為の化学分析設備を装備し、予備的実験を行い、(2)岩石試料を採取し、岩石粉末試料をつくることに重点をおいた。 実験環境の整備として、Sm,Ndの分離・濃集のために必要なフラクション・コレクターをこの科研費用によって購入し、校費によってイオン充填カラムを作成し、かつスパイク等必要な薬品類を整えた。また試薬を用いてSm、Ndの同位体比を測定し、必要とする測定精度を得るため質量分析計の分解能を上げる努力をすると共に、コンピューター制御の為のプログラムを作成した。 南九州(宮崎県日の影)に分布する四万十帯北帯には、島弧付加体と考えられる玄武岩、アンバー様堆積物、石灰岩、泥岩などが整合的に重なっている。ここの連続露頭から数mおきに試料を採取し、分析用粉末試料、EPMA用試料を作成した。 また島弧に付加した、もともと遠洋性火山岩類との対比させる意味もあって、島弧における火山活動の例として中九州金峰火山岩類の同位体比を測定し、島弧火山の同位体的特徴の考察を行った。その成果は印刷中である。
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