研究課題/領域番号 |
63540614
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
浜本 礼子 九州大学, 理学部, 教務員 (40089917)
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研究分担者 |
柳 哮 九州大学, 理学部, 教授 (90037234)
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キーワード | Sr同位体組成 / 島弧付加体 / 遠洋性堆積物 / 風成堆積物 / 四万十帯 / アンバ- / 赤色負岩 / 枕状玄武岩 |
研究概要 |
昨年度採取し、予備実験を行っていた、日向層群荒谷層の試料についてRb、Sr定量、^<87>Sr/^<86>Sr比を測定し、その結果を考察した。 試料は四万十帯のメランジュ・ユニットとされる緑色岩-遠洋性堆積物のSequcenceである。下位から枕状溶岩、アンバ-、赤色負岩、緑色負岩、黒色負岩が野外では一連整合に重なっている。この連続露頭から16個の岩石を分析し、次の結果を得た。 (1)枕状溶岩のRbの値は1.1ppmと非常に少なくMORB(Mid Oceanic Ridge Basalt)の平均値と一致する。蛍光X線による微量元素分析値もMORBであることを支持する。しかし^<87>Sr/^<86>Sr比は平均0.70876と高く、玄武岩マグマと海水が反応したことを示唆する。枕状玄武岩のすき間を充填している石灰岩の^<87>Sr/^<86>Sr比は0.70805でEacene当時の海水の値を示している。 (2)アンバ-、赤色負岩の^<87>Sr/^<86>Sr比は枕状溶岩から離れるにつれて連続的に高くなる。すなわち枕状溶岩(^<87>Sr/^<86>Sr=0.70876)ともともとの赤色負岩(玄武岩から2m以上離れた玄武岩の影響のないもの、^<87>Sr/^<86>Sr〓0.725)を2つのエンドメンバ-としてこれらのMixingによってすべてのアンバ-、赤色負岩の系統的なSr同位体比の変化は説明できる (3)赤色負岩、黒色負岩の^<87>Sr/^<86>Sr比はそれぞれ0.7183〜0.7255、0.7134〜0.7181と当時の海水の値0.7080よりもはるかに高く、これによって従来の遠洋性堆積物の起源は海水中で自生した粘土鉱物であるとの説は完全に否定された。我々は先に日本海溝でのドリル・コアであるLrg・56のSite435のRb-Sr同位体組成を調べ、遠洋性堆積物は中国東北郡から偏西風によって運ばれて堆積したレスであるとの考えを示した。その同位体組成は今回の分析結果とも調和的である。よって古い付加体である四万十帯の遠洋性堆積物も同様に古い大陸地殻からの風成堆積物であると結論した。
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