研究課題/領域番号 |
63540631
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大塚 裕之 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (50041223)
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研究分担者 |
大木 公彦 鹿児島大学, 理学部, 助手 (90041235)
早坂 祥三 鹿児島大学, 理学部, 教授 (20041212)
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キーワード | 九州 / 後期新生代 / 脊推動物化石群 / 生層序 / 古生物 / 対比 / 化石帯 |
研究概要 |
九州およびその周辺海域の後期新生代の諸層から産出した脊推動物化石の古生物学的研究ならびにそれらの包含層の生層位学的研究を行なった。また、いくつかの地点に於ては発掘調査を実施した。 1)島原半島南部に於て、前期更新世の口之津層群北有馬層に包含されている進化型のステゴドンゾウであるアケボノゾウの化石の発掘調査を実施した。その結果、<二>歯、牙を含むほぼ一体分の化石を発掘した他、その下位の層準に認められる原始的マンモスであるプロキシムスゾウとの生層位関係を明らかにした。 2)大分市の丘陵地帯に分布する前期更新世大分層群の層位学的研究を実施した結果、同層群に包含される中期更新世初頭の特長種であるトウヨウゾウのレンジを、西日本において初めて明らかにした。 3)鹿児島県種子島の西之表市及び宮崎県西都市に於て、中位段丘構成層からナウマンゾウ、シカ類、魚類化石を含む脊推動物化石群を発掘した。とくに西之表市におけるナウマンゾウは日本列島における、これ迄の最南部での産出で、その発見は琉球列島の形成史の究明に重要な意味をもつ。これらの2地点に於ける産出によって、西日本に於ける下末吉期(第四間氷期)の脊推動物化石群の実体が初めて明らかとなった。 4)九州西方海域を含む東シナ海の海底から採集された脊推動物化石群集を古生物学的に研究し、日本列島の動物群との比較考察を行なった。 5)これらの古生物学的、地質学的資料に関する調査を、九州及び京都大学に於て行った。 上記の地質学的、古生物学的データーを基に、西南日本に於ける上部新生界の脊推動物化石群に基づく生層序区分を行うとともに、日本列島及びアジアの諸層との対比を行った。
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