昭和63年度に引き続き、京都大学地質学・鉱物学教室、鳥羽水族館、九州大学地質学教室、農学部動物学教室の文献調査を行ない、分類学、生態、機能形態、生活史、生理、染色体、系統、進化など主要項目で検索のできる文献目録の準備を進めた。 標本類については、国立科学博物館の標本を中心に、鳥羽水族館(寺町コレクション、瀧コレクション)、西宮市(黒田コレクション、菊池コレクション)、九州大学等の調査を行ない、モスクワ大学博物館、海洋博物館(ブラジル)との標本変換を行なった。アフリカ西岸の主要種については、1990年2月から4月にかけての存外研究の機会に、アムステルダム動物学博物館、パリ国立自然史博物館、大英博物館、米国国立自然史博物館等で調査する予定である。新生代化石種も同時に検討する。 本年度は、デジタイザ(グラフテックKD3300)、シリアルマウス、スタイラスペン、インタフェイスケ-ブルを購入し、昭和63年度購入のパ-ソナルコンピュ-タエプソンPCー286Uに接続し、トマヤガイ類の外形の画像取込みを開始した。複数個体のデ-タを取込み、重ね合わせの上、統計処理を行い平均的glans hirasei Dall及び、Glans sagamiensis Kuroda&Habe像を求める作業を始めた。両種とも17〜18個体と個体数が少ないため、左右等殻である事を統計的に確認した上で、左殻を反転して、右殻のデ-タとして処理する事を検討している。画像の取込みについては、既存の図形処理ソフト(ジ-ズスタッフキッド、キャンディ)についても検討したが、予察的に画像を変形させて、他の図形に近づける事は可能であるが、最も適した変形の量を求める事には、方法論的にも適さない事が分かった。座標変換用のプログラムの作製が必要である。
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