研究課題/領域番号 |
63540638
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
入船 徹男 北海道大学, 理学部, 助手 (80193704)
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研究分担者 |
菊地 武 北海道大学, 理学部, 助教授
針谷 宥 北海道大学, 理学部, 教授 (50000815)
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キーワード | 超高圧実験 / ディオプサイド / ペロフスカイト / 相転移 / 希土類元素 |
研究概要 |
地球のマントルの主要鉱物として重要であるディオプサイド(CaMgSi_2O_6)の約25GPa(25万気圧)までの超高圧・高温下における相関係を実験的に明らかにした。この結果、ディオプサイドは18GPa前後の圧力下で、CaSiO_3成分に豊んだ立方晶ペロフスカイトとMgSiO_3成分(Mg_2SiO_4スピネル+スティショバイト、イルメナイト、斜方晶ペロフスカイト)に分解することが明らかになった。更に、EPMAによる組成分析の結果、上記のCaSiO_3、MgSiO_3成分はそれぞれ非常に限られたMgおよびCa成分を固溶することがわかった。ディオプサイド成分の相変化については、同組成のペロフスカイトに転移するという説と、CaSiO_3およびMgSiO_3成分に分解するという説が対立していたが、今回の実験は後者が正しいことを強く示唆している。尚、これらの実験は主に東大物性研および名大理学部においておこなわれ、結果の組成分析等は北大理学部でおこなわれた。またこの結果は専門誌に投稿・印刷中である。 次に鉱物中の微量元素、特に希土類元素のEPMAを用いた組成定量分析法の確立をめざし、いくつかのスタンダードガラスを合成した。このスタンダードを用いた天然の希土類鉱物の組成分析結果は満足のいくものであり、近い将来合成実験で得られた試料のこれらの元素の分配を明らかにするために用いる予定である。
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