• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

マントル構成鉱物の高温高圧下における相平衡と元素分配

研究課題

研究課題/領域番号 63540638
研究機関愛媛大学

研究代表者

入船 徹男  愛媛大学, 理学部, 助教授 (80193704)

キーワード高温高圧実験 / 相転移 / 相平衡 / マントル / 鉱物 / 地球内部構造 / 元素分配
研究概要

25GPaあるいはそれ以上の圧力領域での相平衡や元素分配実験法の確立をめざして、実験技術の開発・改良をおこなった。第1に高圧発生効率に及ぼすアンビル材質の影響を系統的にテストし、最適な材質を確定した。第2に高温発生用セルの改良をおこない、2000℃領域に達する高温発生・正確な測温を可能にした。更に高温高圧用デ-タ収集システムを開発し、実験の省力化・デ-タ精度の向上をおこなった。これらの結果、25GPaを越える高圧下における安定で精度のよい高温高圧実験が可能になった。
上記のような実験技術を基礎に、マントルにおいて重要ないくつかの鉱物の相転移・相平衡実験をおこなった。第1にダイオプサイド(CaMgSi_2O_6)組成に対する25GPaまでの相転移を研究し、これがCaSiO_3,ペロフスカイトとMgSiO_3成分に分解することを明らかにし、従来の論争に決着をつけた。第2にエンスタタイト(MgSiO_3)ーパイロ-プ(Mg_3AL_2Si_3O_<12>)系の相関係を従来よりも格段に高い圧力・温度領域まで明らかにした。またフォルステライト(Mg_2SiO_4)単結晶に対して異った応力条件のもとでのスピネルへの転移機構を透過電顕等を用いて解明した。更に以上のようなデ-タをもとにアントル機成物質の候補であるパイロライトやMORB中における相転移について詳細に検討した。
以上のような相転移に関する実験結果および最近蓄積されている高圧相の弾性・熱物性等のデ-タを用いて、マントル機成物質の高温高圧下での密度・地震波速度を計算し、観測に基づくこれらの地球内部でのプロファイルと比較した。この結果パイロライト組成が上部マントルおよびマントル遷移層において観測デ-タをよく満足する適切なモデルであることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Irifune: "Phase transformations in diopside CaMgSi_2O_6 up to 25 GPa" Geophys.Res.Lett.16. 187-190 (1989)

  • [文献書誌] 入船徹男: "高圧下の鉱物物性とマントルの物質構成" 鉱物学雑誌.

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi