研究課題/領域番号 |
63540655
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山本 温彦 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (00041236)
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研究分担者 |
富田 克利 鹿児島大学, 理学部, 教授 (20041220)
大庭 昇 鹿児島大学, 理学部, 教授 (00041210)
根建 心具 鹿児島大学, 教養部, 教授 (10107849)
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キーワード | 花崗岩 / オートリス / ゼノリス / マフィック鉱物 |
研究概要 |
1.互いに成因的に異なると考えられる東北日本南部北上山地と西南日本九州外帯の花崗岩質岩体の代表的なものについて、地質調査と試料採集を行った。とくに、岩体の岩相変化とそれに含まれるオートリスの産状-種類、形態、量など-との関係について詳しく調査を行った。その結果、両地域の岩体の間には、オートリスの産状に次のような相違が認められた。 (1)南部北上山地の岩体は、多量の均質なオートリスを含み、量的に岩相変化と密接に関係していることがわかった。 (2)九州外帯の岩体は、少量の不均質なオートリスを含み、北帯と南帯との岩体で、ゼノリスとの量比に差があることがわかった。 2.調査した花崗岩質岩体のオートリスについて岩石記載と鉱物組成分析を行った。その結果、両地域の岩体の間には、オートリスの組織とモードの次のような相違が認められた。 (1)南部北上山地の岩体中のオートリスは、粗粒〜中粒、粒状〜やや斑状のハンレイ岩質〜石英閃緑岩質岩石からなり、マフィック鉱物として単科輝石・角閃石・黒雲母に富むことがわかった。 (2)九州外帯の岩体中のオートリスは、中粒〜細粒、やや斑状〜斑状の石英ハンレイ岩質〜花崗閃緑岩質岩石からなり、マフィック鉱物として角閃石・黒雲母に富むことがわかった。 3.調査した各花崗岩質岩体中のオートリスについて主要元素組成の化学分析を行った。各岩体において、オートリスは母岩よりもかなり塩基性であったが、両者は、組成変化図上同一の変化傾向を示し、国一のマグマ起源のものであることがわかった。 次年度は本年度調査できなかった岩体について同様の研究を継続するとともに、主要造岩鉱物の化学組成の検討を行う予定である。
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