研究概要 |
1、関東山地三波川変成岩類 関東山地出年ー鬼石断層以西の群馬県多野郡から藤岡市にわたる南北約10km,東西約20kmの区域について地質調査を行うとともに試料を採取し,顕微鏡観察,XRFによる主成分析と微量成分分析を行ったところ次のような結果が得られた. a)本地域の三波川変成岩類は泥質片岩を主体とし,塩基性片岩および珪質片岩を夾む。片岩類の層理と片理の方向はほヾ一致し,おヽよそ東西性の走向を示す。東西方向の褶曲軸を有する背斜,向斜を繰返すが全体としては南に20°〜30°で傾斜する。塩基性片岩は見掛上最下位のB_1層からB_2,B_3,B_4,B_5およびB_6の6層からなる。これらの塩基性片岩層はそれぞれ岩相上の特徴を有し,肉眼で区別することができる。三波川変成岩の最上部は傾斜をやヽ増し,みかぶ緑色岩類に漸移する。本岩類は塩基性準片岩を主とし石灰岩,泥質片岩および珪質片岩をはさむ。走向はほヾ東西,30°〜50°で南に傾斜する。本地域には極めて小規模な別子型鉱床を産したことが報告されているが,その位置は不明である。 b)塩基性片岩の微量分析結果から,その大部分は海嶺型玄武岩(MORB)の特徴を示すが,しばしは海洋島ソレアイトおよび同アルカリ玄武岩の性質を有する。とくにB_2層に海洋島型の岩石を多く含む。MORBの多くはN型であるがT型のものもかなり見出された。これは海洋島型の岩石を産することヽ調和する。みかぶ緑色岩も海嶺型および海洋島型の岩石からなるが,一部に島孤型の岩石が見出されたことは,注目に値する。 2、日立変成岩類 日立変成岩類については昨年報告したが,その後デ-タを再検討したところboninitc(無人岩)の特徴を有する岩石が多くの見出された。
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