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1989 年度 実績報告書

ロ-ディン岩の成因に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63540657
研究機関岡山理科大学

研究代表者

小林 祥一  岡山理科大学, 教養部, 講師 (20109739)

研究分担者 坂本 尚史  岡山理科大学, 教養部, 教授 (60098580)
キーワードロ-ディン岩 / ゾ-ニング / ハイドログロッシュラ- / 熱水処理 / 水シリカ交換平衡
研究概要

ロ-ディン岩の生成過程を示すゾ-ニングを観察した結果、交代作用の進んだゾ-ン中のハイドログロッシュラ-ほど含水量が多いことがわかった。そこで今年度は、ロ-ディン岩の主構成鉱物であるグロッシュラ--ハイドログロッシュラ-系ザクロ石の含水量について実験的に検討した。グロッシュラ-組成のガラスを熱水合成すると、合成温度の増加によって含水量が減少するがハイドログロッシュラ-が生成する。しかしこれらは、合成時間が短いことから準安定状態のザクロ石であるとされている。しかし、水を含まないグロッシュラ-の低温での熱水処理によって含水のザクロ石を今回合成することができた。以下その方法と結果を示す。
低温での熱水処理のための出発物質であるグロッシュラ-をまず100MPa下で660℃あるいは695℃の温度で熱水合成した。その温度での保持次官は0分、5分、2時間、14時間、6日間で、すべての実験において目的のザクロ石が合成された。次に、これらの生成物を同様な装置・圧力で、450℃あるいは350℃の熱水中で52〜95日間熱水処理した。保持時間が2時間以上のザクロ石は結晶化が進んでいるため、低温でしかも今回のような短い処理時間では簡単にシリカと水とが交換し得なかったが、0分および5分で合成したザクロ石のd_<420>値は、処理後顕著に増加した。その結果からシリカを置換する水の量は、450℃での処理では12%、350℃では18%と推定された。また、構造水に関係する赤外線吸収帯(3630cm^<-1>や3660cm^<-1>)も、この処理によってその透過率を顕著に減少させている。これらのことは、ザクロ石中の[SiO_4]を[O_4H_4]によって置換されていることを示している。
以上から、ロ-ディン岩化作用の進行によって、初期に生成したであろうグロッシュラ-も次第にハイドラスになり得る可能性を示す結果が得られた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shoichi Kobayashi.: "Hydration of grossular by hydrothermal annealing"

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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