研究課題/領域番号 |
63550017
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大嶋 隆一郎 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (50029469)
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研究分担者 |
藤田 英一 大阪大学, 基礎工学部, 名誉教授 (90029380)
江澤 正思 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90160358)
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キーワード | 人工ダイヤモンド / 気相成長法 / ダイヤモンド構造 / シリコン基板 / グラファイト構造 / 層状欠陥 / 透過電子顕微鏡法 / 制限視野電子回折 |
研究概要 |
前年度に引き続き化学気相成長法により作成した人工ダイヤモンドの電顕観察を行った。電顕観察に適するように、800°CのSi基板上にメタン濃度を0.3及び0.5%にして平均膜厚0.25μmの試料を準備したが走査型電顕による予備検鏡でそれらは何れも連続膜ではないことが判明した。そのためダイヤモンド成長側表面を害しないように基板側から化学研磨を注意深く行い検鏡試料を作成した。得られた結果をまとめると以下の通りである。 1.Si基板表面には核形成を促進するために行った前処理による多数のスクラッチが観察されたが、必ずしもそれに沿った優先的核形成は認められなかった。このことから基板表面の前処理による核形成の促進は基板に導入された応力及びそれと関係した表面拡散が関与すると結論した。 2.ダイヤモンドの平均粒径は200〜400nmであり、メタン濃度0.5%の方が粒径の分布は広がるが、形態は揃っていた。0.3%で成長させた場合には異型粒子も多数観察された。 3.層状欠陥を有する粒子も前回同様に観察された。 4.超高圧電顕を用いて2MeVの電子をダイヤモンド側からと基板側から照射しながら二次欠陥の形成過程のその場観察を行った。基板には何れの側からも照射開始と同時に多量の積層欠陥転位ル-プが形成されたが、ダイヤモンド粒子中には欠陥の形成は認められなかった。 以上の結果をふまえて今後天然ダイヤモンドについての観察を行い、人工ダイヤモンドとの比較検討を行う予定である。
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