本研究の目的である白金・シリコン界面でのシリサイド化反応について種々の温度で前処理して得た試料を顕微鏡内で電子線照射しin-situに記録して反応の詳細をしらべ1988年夏に米国電子顕微鏡学会の年会(EMSA meeting)で発表した。 これは金属白金・シリコン界面の間に蒸着前から存在していた10nm以下のnative oxide層の中をシリコン原子が拡散し白金がシリサイド化するようすを原子レベルで捉えたものでnative oxideが界面から白金側の表面へ移動していくことを明らかにしたものである。 断面試料作製の過程でイオン研磨により特有の突起が発生することがわかったのでこれを詳細に調べた。さらにイオン研磨でできた突起の上に小さな突起があることを見つけたので学会に報告しJpn.J.Appl.Phys.に論文として発表する。 これは透過電子顕微鏡の断面試料を作製する場合イオン研磨が最終仕上げとして広く用いられているが、Arイオンで研磨すると長時間(>4h)研磨した試料では数ミクロンのビ-ズ状になり平坦な研磨面が得られない。このため加速電圧、研磨角などの条件を検討したものである。シリコンをイオン研磨すると表面に非晶質の膜が生成すること。数ミクロンのレンズ状突起の上にnmオ-ダのピラミッド型の小突起が発生していることなどを明らかにした。
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