研究課題/領域番号 |
63550037
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
飯田 誠之 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90126467)
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研究分担者 |
作田 共平 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60143814)
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キーワード | レリ-フホログラム / アモルファス水素化炭素膜 / フォトエッチング / 光記録材料 / 記録保存 / レプリカホログラム / 回折効率 / 電鋳法 |
研究概要 |
ガラス基板上にプロパンのグロ-放電分解により堆積させたアモルファス水素化炭素膜(a-C:H膜)のUV光照射により発生するフォトエッチング現象を利用したレリ-フ型位相ホログラムについて、その記録情報を長期的に保存するためのレプリカホログラムの作製方法とその材料を中心に研究した。また、レプリカホログラムとオリジナルホログラムの再生光に対する回折効率の比較からレプリカの性能評価を行った。 レプリカの作製方法としては、オリジナル膜のレリ-フを金型に写しとり、さらにこの金型から軟らかいプラスチック類に転写する方法を用いた。金型は表面レリ-プとして凸凹の形に光情報を記録したa-C:H膜に金を蒸着し、これにニッケルの電鋳をほどこすことで作製した。アクリル板、ポリエチレンシ-ト、ポリ塩化ビニリデンシ-ト、ポリ塩化ビニ-ル板などについて、有機溶剤で溶かしたり軟らかくしたりする方法や熱可塑性を用いる方法なとの試行錯誤の中から、ポリ塩化ビニ-ル板に熱可塑性を利用して転写するのがよいことを見出した。このようなプロセスによって得たレプリカホログラムの回折効率は、オリジナル膜のそれの80%に達するものが得られ、本質的にレプリカとして十分利用できることが明らかにできた。このプロセスは、同一記録情報を大量生産する際にも適用できるものである。オリジナル膜の光記録の経年的劣化は、このようにレプリカ作製で解決でき、光記録の永久的保存が可能であることが明らかになった。実用化に結びつける上では、オリジナルホログラムの回折効率が理論値に比べてかなり低い原因を解明し、これを向上させることが望ましい。 以上のように、a-C:H膜は光プロセスのみで光情報を高分解能で記録でき、またレプリカへの転写も可能な新しい光記録材料として興味ある可能性を持つことを、本研究で始めて明らかにした。
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