超伝導物質としてニオブ3錫の金属間化合物を製作した。これは決度を使用したケミカル ベーパー デポジション法を用いた。此の方法は以前に行ったことがあり、生成物がニオブ3錫かどうかの判定は陽極酸化法により、また電気抵抗の測定により確かめることを行った。 この物質は容易に微粉となるこめ、金を充分に焼鉈して、この金膜中に微粉を分散させた上で、別の金膜を重ねてサンドウィツチ状とし、このサンドウィツチ状金膜を更に延した上、その一部を切り出して、その電気抵抗を測定した。ニオブ3錫の転移温度Tcでは抵抗に変化が表われるが、それ以下の温度における抵抗減少が近接効果のみによるかは未だ判定しにくい点がある。これは金が残留抵抗のみでなく、未だ変化すること。さらに測定器の関係で10μAから1μaの電流を流さざるを得ない故である。 この点次の段階でSQUIDを使用しなければうまくないので素子および12MH_2のRfアンプ及び発振器を製作した。唯現時点これは完成に至っていない。 イットリウム系およびビスマス系の高温超伝導物質の作成を平行して行った。ビスマス系については107Kでその電気抵抗は完全に零となった。唯このばあい電気抵抗が零となってもその物質全体が超伝導に転移していない。すなわち磁化の測定によると107Kで未だ10%程度が超伝導となり、温度が低くなるにつれて全体的に完全支磁生となる。 このためニオブ3錫についても我々の製作した試料は均一でないことも考えられるので、生成試料を粉にし、そのTcではっきり超伝導となる粉を分離する必要がある。此のような粉を用いた金膜サンドウィッチの製作及びSQUIDによる磁化の測定が近接効果による磁化の変化および電気抵抗変化の解散に不可欠である。
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