研究課題/領域番号 |
63550051
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
生田 孝 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20103343)
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研究分担者 |
岸岡 清 大阪電気通信大学, 工学部, 助教授 (50109881)
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キーワード | 画像処理 / 能動型画像処理 / 光学顕微鏡 / 超解像光学系 / 3次元結像特性 / 蛍光顕微鏡 / モアレ / 実時間画像処理 |
研究概要 |
本研究で提案するモアレ超解像蛍光顕微鏡は、励起光照明系内に、一次元あるいは二次元の微細格子マスクパタ-ン(モアレマスク)を入れ、その像を観察対象物に投影する。この様な励起光のモアレマスク投影によって生じたモアレ蛍光像に、再度同一周期の物理マスク(再生マスク)を重ね、強度的に乗算することで、超解像特性と光軸方向の解像力を実現するものである。すでに昭和63年度において、本方式の理論的検討を行い、本顕微鏡が共焦点(コンフオ-カル)蛍光顕微鏡に類似した特性を示すことが判明した。さらに一次元マスクを用いた実証実験を試み、光軸方向に対する解像力が確認されている。 今年度(平成元年)の経過を以下述べる。引き続き二次元のモアレマスクによる再生を試み、一次元マスクの場合と同様な3次元解像力を確認した。さらに焦点はずれ量の異なった多数枚の再生像をもとに、3次元スペクトルをもとめ3次元OTFを評価した。現在の所、励起光照明系が必ずしも最適のもので無い為、微細ピッチの投影モアレマスクが実現出来ず、本来期待される超解像特性の確認にはいまだ至っていない。この為には励起光投影部の大幅な改造が必要である。 一方本投影型モアレ蛍光顕微鏡の明るさを改善する為、当初用いていた振幅格子型のマスクに代え、より高い回折効果をもつ位相格子型のマクスを試みた。これにより若干の明るさの増加が認められたが、本来期待される明るさには達していない。位相型マスクの作成技術を高めると共に、光学系の調整を適切に行う事で改善可能であると予想される。 以上の研究によって提案するモアレ蛍光顕微鏡の諸特性が超解像特性をのぞいて確認された。今後照明光学系の再設計、及び再生時間短縮等をはかることで、本方式顕微鏡の実用化が期待出来よう。
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