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1989 年度 実績報告書

分光学的手法による蒸気の凝縮過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 63550052
研究機関筑波大学

研究代表者

小林 康徳  筑波大学, 構造工学系, 教授 (10132995)

研究分担者 村上 正秀  筑波大学, 構造工学系, 助教授 (40111588)
吉澤 能政  筑波大学, 構造工学系, 教授 (30029392)
キーワード蒸気凝縮 / 衝撃波 / 凝縮熱伝達 / レ-ザ-ホログラフィ / シュリ-レン写真 / 凝縮縞
研究概要

本年度の研究では、衝撃波管を用いて主として連続シュリ-レン写真による衝撃波背後の流れ場の化視化を行うと共に従来の圧力及び温度センサ-による流れ場の熱力学的状態を測定した。さらに、衝撃波管壁の影響を除くため、点源爆発によって生じる球形衝撃波を二重露光法によるホログラフ干渉写真にとり、蒸気凝縮の程度を調べた。媒質が単純な気体である場合と蒸気である場合との差異は顕著で、後者では気体力学のランキン・ユゴニオ関係が成り立たないこと、壁面および流れ場中心での熱伝達量が大きいことが明らかになった。これらの特徴はすべて、衝撃波背後での蒸気媒質の相変化(蒸発・凝縮)に関係していると考えられるが、その詳細なメカニズムはまだ明らかでない。今回の衝撃波管実験ではP.Thompsonらの提唱するいわゆる“retrograde"と“regular"流体の識別法に必ずしも沿わない結果が得られているが、この件については、今後とも実験、理論の両面から詰めていく必要がある。一方、点源爆発による衝撃波の実験では蒸気媒質特有の干渉原縞模様の乱れが明らかであるものの、結論的事実を得るには更に測定を重ねる必要がある。
次に、流れ場の数値シミュレ-ションについては、管内流れとそれに伴う壁面(境界)への熱伝達を模擬する一般的な数学モデルを考案し、数値解析を試みた。基本的には、三保存則と拡散の式、蒸気の状態式から成っている。計算結果は、サ-モサイフォン凝縮部内の蒸気流れ場については実験結果と比較的よい一致を示し、少なくとも定性的にはシミュレ-ション可能であることが確かめられた。
今後の課題としては、種々の条件が重なり分光学的に液滴の生成量を検出する方法がまだ完全に確立していないこと、衝撃波背後の蒸気流れ場のシミュレ-ションが未完のままになっていること、の2点が挙げられる。将来とも、この点を解明する研究を継続していく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 小林泰徳: "不凝縮ガスを含む縦型サ-モサイフォン内の蒸気凝縮流れ" 日本機械学会論文集(B). 54,504. 1970-1976 (1988)

  • [文献書誌] 小林泰徳: "二相媒質を伝播する衝撃波背後の蒸気凝縮の実験" 衝撃波現象の解明と応用に関する企画・調査研究. 46-52 (1989)

  • [文献書誌] Y.Kobayashi: "Effect of Non-Condensable Gas on Vapor Flow in the Condenser of VCHP" AIAA Paper,Thermophysics Conference,Buffalo,USA. 89-1747. (1989)

  • [文献書誌] Y.Kobayashi: "Heat Transfer from Vapor Condensation in the Region Behind a Shock Wave," AIAA Paper 89-1745,Buffalo,USA,. 89-1745. (1989)

  • [文献書誌] Y.Kobayashi: "Condensation Heat Transfer of a Vapour Flow on the Solid Surface in the Heat Pipe," Journal of Thermophysics and Heat Transfer. (1990)

  • [文献書誌] Y.Kobayashi: "Vapor Condensation Behind a Shock Wave Propagating Through Vapor-Liquid Two-Phase Media" Proceedings of IUTAM Symposium on“Adiabatic Waves in Liquid-Vapor Systems",Gottingen,FRG. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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