研究課題/領域番号 |
63550060
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高雄 善裕 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (30108766)
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研究分担者 |
福田 重久 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (60038544)
肥山 央 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (30038541)
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キーワード | 複合材料 / き裂 / はく離 / 界面 / 破壞 / せん断抵抗 / 応力拡大係数 / 短繊維 |
研究概要 |
繊維とマトリックスの組合せで、その詳細な微視的損傷進展過程に違いはあるものの、両者間の界面に作用するせん断抵抗が、複合材料の破壞エネルギーに大きく関与する。現在まで、このせん断抵抗は、単一繊維を使ったモデル試験か巨視的な層間せん断強度試験から、間接的に求められていた。本研究課題では、実際の複合材料の界面せん断抵抗を微視的レベルで求める。 まず、界面のせん断抵抗の特性を解析した。現在のところ、次のような事柄がわかった。「微小なマトリックス割れが界面に達し、そこから界面はく離が成長する基本的な初期破損を考える。負荷は繊維方向に作用している。熱ひずみを考慮しない場合、繊維間距離に比べ界面き裂が小さいと、き裂は開こうとする(破壞力学的には正のモードI)。少し成長するとき裂は閉じる(破壞力学的には負のモードI)。このことは、界面にせん断破壞が進行しても、界面にはなお摩擦によるせん断抵抗が存在する。」次に、繊維とマトリックスの変位の違いからせん断抵抗を求める、実験データ処理方式を検討した。せん断遅れ論をもとに、せん断抵抗を場所、変形度合、時間の関数とみた処理方法をプログラムコード化している。最後に、繊維とマトリックスの変位のずれを可視化する方法を検討した。複合材料試験片に透過型電顕用メッシュを使って数μm間隔の格子模様の蒸着を行った。現在、この試験片に4点曲げ負荷を加え、走査型電顕を入れて界面はく離進展の様子を観察し、変位の違いを求める。
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