研究課題/領域番号 |
63550072
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料力学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 博之 東北大学, 工学部, 教授 (00005266)
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研究分担者 |
橋田 俊之 東北大学, 工学部, 講師 (40180814)
伊達 和博 宮城工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (10111254)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 破壊プロセスゾ-ン / 微視き裂 / 破壊力学 / き裂進展 / 岩石 / 超音波法 / 数値シミュレ-ション |
研究概要 |
本研究の目的は、微視き裂先行型材料の破壊プロセスゾ-ン形成の実験的評価ならびに数値シミュレ-ションを通じて、破壊プロセスゾ-ンに基づくき裂進展の破壊力学モデルに関する検討を行うことである。 微視き裂先行型材料として花こう岩を対象とする。深部地殻熱エネルギ開発を目的とした人工地下き裂の設計においては、花こう岩の破壊特性に関する解明が要求されている。破壊プロセスゾ-ンの実験的検出法として超音波法を採用した。具体的方法は、周波数500kHzの縦波センサ-を用いた透過伝播時間法である。本法を、微視組織が大きく異なる3種類の花こう岩の破壊靱性試験片(CT試験片)に適用することにより、透過伝播時間法による破壊プロセスゾ-ンの成長過程の追跡が可能であることを示した。また、破壊プロセスゾ-ンの長さは、試験片寸法に依存し、試験片寸法が大きくなるとともに増大することを見いだし、プロセスゾ-ンの長さの測定が破壊靱性評価において重要であることを指摘した。 破壊プロセスゾ-ン形成の破壊力学的モデルである引張軟化則に注目し、引張軟化則も基づく数値シミュレ-ションを実施した。Liらにより提案されたJ積分法により引張軟化則を評価した。試験片寸法効果のない引張軟化則曲線を決定できることを示し、これにより境界要素法を用いたプロセスゾ-ン形成の数値シミュレ-ションを行った。数値解析により得られたプロセスゾ-ンの形成過程は、超音波法により実験的に評価された形成過程とよく対応することを示し、プロセスゾ-ンの形成則として引張軟化則を採用しうることを示した。本研究で開発した超音波法によれば、少なくても2個の試験片を要求するLiらの複数試験法に対して、引張軟化則の単一試験により評価が可能となる。
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