研究課題/領域番号 |
63550098
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
新野 秀憲 東京工業大学, 工学部, 助手 (40196639)
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研究分担者 |
小泉 忠由 東京工業大学, 工学部, 助手 (90016527)
伊東 誼 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016441)
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キーワード | 機能性接合部 / 超精密加工 / 超硬合金 / 小径ボール / 熱流制御 / 高減衰能 / 構造設計 / 剛性 |
研究概要 |
ナノメートルオーダの加工精度を達成する超精密加工を実現すめためには、従来のように加工機におけるユニット単体の高性能化を行うだけではなく、システム全体の加工精度に与える誤差要因を総合的に検討しなければならない。このような加工機が有する加工精度・加工能率の限界を支配する重要な因子は、運動精度及び静的・動的・熱的変形でありその中でも最大の要因は、接合部の機械的・熱的特性である。今後、現在以上の高性能な超精密加工機を構築するためには、高度な制御機能を具備した機能性接合部を開発することが必要不可欠である。本年度は以上のような観点から機能性接合部の構造構成について詳細な分析、検討を行った。その結果、以下のような特性を有する機能性接合部を提示することができた。 1.高剛性の確保 超硬合金製の小径ボール(直径05mm、0.7mm)を多数積層することにより、無数の接触部で接合部間に加わる荷重を分散して剛性を負担することができる。 2.高減衰能の具備 超硬合金製の小径ボール同士、あるいは接合面で振動を効率的に吸収することにより、高い減衰能を確保することができる。 3.熱流制御機能 小径ボールの間隙に温度制御された気体、液体等の流体を強制的に還流することにより、効率的に接合部の温度制御を行うことができる。 以上のような機能性接合部の基礎的な力学的・熱的特性について検討を行った結果、提案した接合部の剛性が介在する小径ボールの材質によりどの程度依存するか、また積層数の増大による剛性低下の度合といった構造設計を行う上で必要な基礎データを得ることができた。更に次年度では、能動的に機械的・熱的機能を制御可能な接合部を開発する。
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