研究課題/領域番号 |
63550103
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
堂田 邦明 岐阜大学, 工学部, 助教授 (90019224)
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研究分担者 |
斉藤 正美 鈴鹿工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (30149934)
後藤 学 岐阜大学, 工学部機械工学科, 教授 (60023165)
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キーワード | 塑性加工 / しごき加工 / 鏡面 / アルミニウム / 転写加工 / 板材成形 / 精密仕上げ / 摩擦 |
研究概要 |
平面しごき形転写装置(超精密ポンチ面工具)を用いて、工具面転写条件の検討を行った。実験装置の原理を図1に示す。帯板素板(4)とポンチの一体で上方に引き上げ、ダイス(3)によりしごき加工を加えると同時に、ポンチ面の転写加工を行う。しごき率の変更はガイド軸受(2)を左右に移動することにより行う。 実験はRa=0.06umの超精密仕上げされたポンチを用い、アルミニウム合金A-1100材を用いて行った。しごき率は5〜約50%までの範囲で種々変更する。しごき速度は摩擦発熱による温度効果、動圧流体力学的効果をできるだけ小さくするため、1mm/sの低速で一定とした。工具および素板摩擦面をアセトンで十分脱脂した後冷風乾燥し、潤滑油を塗布して直ちに実験を行った。 ダイス側素板面ではダイス面との摩擦すべりによって表面が創成されるが、低粘度油潤滑適用時には焼付きによる表面むしれが生じ、高粘度油潤滑油ではおおむね摩擦傷面となり、Ra=0.05um程度の表面仕上げが得られる。これはダイス面に比べかなり劣るものである。ポンチ側素板面では、ポンチ面への転写によって表面が創成される。ポンチ面を無潤滑としてしごき率を高めても、焼付きは発生せず、転写性は著しく高まる。ポンチ面Ra=0.020umの場合には、しごき率20%程度まで高めるとほぼ完全な転写面がえられる。最もなめらかなRa=0.004umのポンチではしごき率50%程度でほぼ完全な転写面がえられる。素材表面あらさと潤滑油粘度の関係についても検討したところ、無潤滑より、できるだけ低粘度の潤滑油を用いた方が転写性が向上すると思われた。
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