Arイオンを用いたイオンビーム加工で超精密切削用ダイヤモンドバイトの切れ刃稜の丸みを半径20〜30mmと鋭くできることと並びに切れ刃にサブミクロンオーダのnegative landを形成できること等を示したきたが、この実用化に関しては、イオンビーム加工したダイヤモンドバイトのすくい面に被削材が凝着しやすい。ダイヤモンドバイトの表面に100A^^0以下ではあるが照射損傷層ができるあるいはダイヤモンド表面の硬度が低下するなどの問題がある。そこで、本年度は水素プラズマあるいは水素イオンビームを用いてArイオンビーム加工で生じたダイヤモンド表面の損傷層を取り除くこと、Arイオンビーム加工時にダイヤモンドを400〜800℃に加熱して損傷層が生じなくすることあるいは低エネルギーのArイオン(200ev)を用いて生じる損傷層をできるだけ薄くすることを試み以下のような結論を得た。 (1)水素プラズマ処理によりArイオンビーム加工で生じた損傷層を取り除くことができた。この処理によりダイヤモンド表面の結晶性も回復しかつ微小破壊郷土も向上した。 (2)イオンビーム加工時にダイヤモンドを400〜800℃に加熱することにより損傷層の発生を防止できる。 低エネルギーのイオンビーム加工を用いて加工した場合のダイヤモンドの照射損傷層は浅くなる。 以上の処理方法で実際にダイヤモンドバイトを作り、アルミニウムの切削を行ったが、ダイヤモンドをシヤンクに取り付ける際にダイヤモンドの表面が汚れ良い結果は得られなかった。来年度はこの解決をはかりたいと思っている。
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