昨年度までに、ロ-タリエンコ-ダの高精度校正法について検討し、平均法が最も有効であり、±0.2"程度の精度でエンコ-ダを校正できることを確認した。この成果を利用して、基準スケ-ルである磁気スケ-ルを再記録し、±0.2"程度のスケ-ルを作った。本年度は平均法を一部改良することとノイズ対策によって校正精度をより高精度化した。この成果を使って、各種の高精度エンコ-ダの精度を明らかにし、その構造と精度、使用条件によって発生する誤差について実験的に調べた。1.校正法の高精度化 校正するエンコ-ダとの相対角度を360度の2^N分割で行っていたのを、任意の分割でも可能とした。さらに、2組以上の分割の異なる平均法で求めた校正値を合成することによって、より高精度の校正値を得ることができようになった。さらに基準スケ-ルや被測定エンコ-ダの信号に徹底したノイズ対策を行い、本校正システムでの校正精度を±0.1"〜±0.05"とすることができた。2.高精度エンコ-ダの精度 磁気式、電磁誘導式、光電式エンコ-ダの最高精度の製品について精度測定を実施した。(1)磁気スケ-ル 精度は±0.2"程度(一部0.4")であるが、±0.1"程度の高次成分が多く、また、温度や他の原因で0.2"程度低次成分が変動する。(2)レゾルバ ±8"程度の精度、再現性は1"程度で構造の極数に対応した128次と236次成分が誤差の大半を占めている。(3)光電式エンコ-ダ 検出部を3つ持ち高精度化を図った国産最高精度の機種は±1.5"、再現性は0.1"で、構造に対応した3の倍数次成分が誤差の大半を占めている。極最近製品化された検出部を4つ持つエンコ-ダは、精度±0.35"と高精度化されているが、4の倍数次成分だけてなく、他の成分を比較的多い。検出部を4つ持つ世界最高精度のエンコ-ダの精度を測定した。精度は±0.1"で誤差の大半が4の倍数次成分であった。
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