1.実験的に次のような結果が得られた。 (1)衝撃風胴を用いた超音速流CO化学レ-ザ-実験装置により小信号利得係数(光の増幅率)のプレナム状態、レ-ザ-遷移枝、ガス組成などへの依存性を計測した。計測結果は後に述べる理論モデルによる計算結果と定性的に一致し、物理的に極めて妥当なものであったが、小信号利得の計測値は予想よりかなり小さかった。 (2)化学発光を利用した流れ場の観察から、光学測定部の流れ場に占める境界層の割合がかなり大きいこと、混合が極めて緩やかであることが明らかとなった。 (3)混合促進用の二次的噴流を用いることにより小信号利得係数を大きくすることができた。今後、二次的噴流に各種のガスを用いた場合の効果について検討を行う。 2.理論的には次のような結果が得られた。 (1)非粘性、準一次元的な流れを仮定したモデルを開発した結果、定性的には実験結果を正しく予測できた。しかし、定量的には不十分であった。 (2)流れ場の観察に基づき、ノズル境界層や測定部の境界層を考慮した理論モデルを開発した結果、予測の精度は向上した。しかし、今後さらに衝撃波などの効果を考慮した精密な理論モデルを開発する必要がある。
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