直接シミュレ-ションモンテカルロ法エキスパ-トシステムに関連して、以下の研究成果が得られた。 ベクトル計算機のための高加速率プログラムを開発した。ベクトル化が困難とされているBird法に関し、分子移動ル-チン、分子所属セル算出ル-チン、分子番号再配列ル-チンおよび分子間衝突ル-チンのいずれにおいても、加速率を大幅に改善したプログラミング手法を開発した。 平均衝突時間に対する時間スケ-ル比が非常に大きな現象を解析するための"時間重み"の導入を行った。計算過程に「時間重み」の概念を導入し、時間スケ-ルが平均衝突時間より数桁大きい現象もDSMC法を用いて解析可能であることを示した。 計算領域自動セル分割に関するニュ-ラルネットを利用したソフトウェアを開発した。ホップフィ-ルド型ニュ-ラルネットを用いて二重セル構造によるDSMC法の空間分割を試み、いくつかの流れ場に適用して満足のいく結果を得た。 並列計算用に作製されたトランスピュ-タを用いて、DSMC法並列計算システムのソフトウェア開発を行った。計算領域の境界自動調整(トランスピュ-タの計算負荷調整)を行うことにより、加速率に関しては、2台で1.95、3台で2.85、4台で3.70の高速化を達成した。 計算領域を、直線境界と円弧境界から成るサブ空間に分割し、それぞれの領域での分子移動を、あらかじめ所有するサブル-チン群から処理プログラムを抜き出して加工結合し、それをまとめて全領域での分子移動プログラムを自動コ-ディングするソフトウェアを現在開発中である。
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