研究課題/領域番号 |
63550137
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大坂 英雄 山口大学, 工学部, 教授 (90024611)
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研究分担者 |
望月 信介 山口大学, 工学部, 教務員 (70190957)
山田 英巳 山口大学, 工学部, 助教授 (00116766)
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キーワード | 縦渦列 / 二次流れ / 乱流境界層の干渉 / 縦渦の道すじ / 対数速度分布 / 乱流運動エネルギ |
研究概要 |
制御された縦渦列として翼端渦列を利用したが、循環の強さは一定とし波長(翼素間隔)を3種類変化させ、その導入高さを2種類変えた。これらの条件下で発生した縦渦列と乱流境界層との干渉過程を、平均流場及び乱流場について調べ以下のような点を明らかにした。 (1)縦渦列の道すじは、翼素の配列波長が翼素幅より大きい場合、境界層内に埋没して下流に移行するが、翼素の配列波長が翼素幅より小さい場合には境界層内に埋没することなく層外を下流に移行するようである。この結果は翼素列の導入高さ(2種類)に依存しない。 (2)縦渦列と乱流境界層との干渉により、境界層の構造は三次元的となり、縦渦列により生じた二次流れに対応して各平均量がスパン方向に変化する。この二次流れの機構は、一対の渦対の吹き下ろし領域(翼中央)で加速を、一方吹き上げ領域(翼間中央)で減速の傾向を示す。 (3)縦渦列によりスパン方向変化を生じた乱流境界層の発達は、スパン方向平均量が二次元境界層と比べ加速傾向を示すことから、その発達は遅いことが予想される。 (4)スパン方向変化が生じている境界層において、壁面摩擦応力をクラワザー線図法、プレストン管法により評価した。この値を用いてスパン方向の局所位置における対数速度分布を吟味すると、局所位置によらず二次元の対数法則が成立すること、またスパン方向平均値による対数法則も二次元流と一致することが明らかとなった。 (5)レイノルズ応力分布、乱流運動エネルギ分布の測定から、二次流れによる乱れの発生及びその輸送機構は概ね、二次流れの主要項により説明できる。ただ、縦渦列の効果によるものかどうかの判断は難しい。 現在、組織構造の解析プログラム・微小圧力計の開発、可視化条件の選定、確認実験を実施中である。
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