1.作動流体として空気を用いる実験 軸対称ノズル、一様流側流路、ノズルの上流の加熱部等を製作し、熱線風速計による速度の検出および抵抗線温度計の測定および大型計算機による処理を行った。対向噴流における平均的な特性量に加えて、特に噴流の大規模変動に由来する瞬間的な特性量を実験的に求めた。 2.作動流体として水を用いる実験 アルゴンレ-ザ装置を用い、フルオレセインナトリウムの水溶液を作動流体とするレ-ザ誘起蛍光法(LIF法)による可視化を行い、軸対称噴流の全体的な挙動をより明確にするために、瞬間写真、高速ビデオカメラによる連続写真撮影を行い、さらに、画像処理による定量的な計測を行った。これにより非定常2次元断面の濃度場の定量的な測定が可能となった。軸対称同軸噴流の流動状態および混合特性を実験的に調べ、軸対称噴流の乱流への遷移および混合特性について種々の知見を得た。 3.理論解析のための数値計算プログラムの開発 非定常の三次元ナビエ・スト-クス方程式およびエネルギ方程式を数値計算によって高速度で解くためのプログラムを用いて計算を開始した。基礎方程式は連立偏微分方程式となるので、これを差分法により解いた。時間ステップには完全な陰解法を用い、移流項の差分近似には低次および高次の風上差分法を用いた。計算速度の高速化(ベクトル化)などの問題点はほぼ解消された。特に、乱流場については、乱流エネルギkおよび乱流散逸εによる2方程式モデルによる計算、LES法およびDS法の適用を考えた。
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