研究課題/領域番号 |
63550173
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
溝本 雅彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60051710)
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研究分担者 |
植田 利久 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (10151797)
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キーワード | 格子乱流 / 高温場 / 乱流構造 / 自己相関係数 / エネルギースペクトル / 乱れのスケール / 粘性による消散 |
研究概要 |
本研究は、物性値の変化が無視できない高温場を通過する格子乱流の構造を詳細に検討することを目的とし、初期乱れの異なる二種類の格子乱流(平均流速1.0m/s)について、乱流発生格子の下流340mmの位置に加熱用スクリーング設置することにより高温場(100℃及び150℃)を形成し、このスクリーンを通過する格子乱流の構造の変化を実験的に検討したものである。熱線流速計と抵抗線温度計を用いて速度、温度を同時測定し、さらにFFTを用いて自己相関係数やエネルギースペクトルを解析し、積分スケール、マイクロスケール、kolmogorovスケール等を算出し、乱流特性を詳細に検討した。本研究で得られた主な結論は以下のようである。 (1)スクリーンが常温の場合、スクリーンを構成する鉄クロム線により速度境界層が形成され、速度分布に急勾配が生じて乱れが発生する。この乱れはスクリーンの形状に固有なもので、比較的規模が小さく、下流に向うに従って急速に減衰する。したがって、スクリーン近傍においては不均一な乱れの場が形成されるが、下流では混合され一様な乱れとなる。 (2)スクリーンにより加熱を行なう場合には、常温のスクリーンにおいて発生するのと同様な小さな乱れに加え、加熱に伴う温度低下により流体が加速され、速度分布に急勾配が生じるため、常温の場合とは異なる乱れが励起される。 (3)(2)に述べた加熱により発生する乱れは周期性(f=200〜300HZ)を持ち、エネルギースペクトルに卓越した成分として表われる。この乱れは強いエネルギーを持つため、高温の場合には常温の場合に比べて乱れが強い。 (4)高温になると共に、空気の動粘性係数は増加し、粘性による消散が活発になる。エネルギースペクトルには、波数の-7乗で表わされる粘性領域が現われ、この領域は高温になるほどより低波数側に及び、これによりスクリーンの形状に特有な小さなスケールの乱れは急速に減衰する。
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