研究概要 |
本補助金を利用して過去3ケ年間に行なわれた研究は(水を使用して)(1)直円管流では、Re=100〜1000,冷却の強さTw^*=0〜10の範囲でL/D=80,40,20の3種の管について定常圧力降下を測定したこと、主としてL/D=40の管について凝固層の定常および過渡状態における観察を行ったこと.定常圧力降下デ-タをもとに閉塞の定常的判定方法による検討を行ったことであり、(2)曲円管流では、助走域を含む曲円管を支配するパラメ-タを検討したこと.分割曲円管による凝固層の観察を行ったこと、Re=350〜7000,Tw^*=2〜7の範囲でR/a=100の管について定常圧力降下の測定を行ったことなどである。 以上の研究によって(1)層流流入から乱流流入に至る凝固層を伴う円管流の圧力降下の特性が判明したこと.(2)冷却の強さがある程度以上になるとステップが発生するが、ステップの時間的挙動として下流側に移動して定常状態に至る場合もあること、(3)Tw^*=2の場合に安定な定常状態が同一Reに対して2つ存在すること、(4)圧力降下の過渡期に、少流量域ほど顕著であるが、オ-バ-シュ-トが発生すること、(5)定常的判定方法で.必要圧力差として定常状態の圧力降下デ-タはこのオ-バ-シュ-トの影響によって、危険側に閉塞限界線を与えることになる、などが判明した。 今後の研究課題としては.(1)凝固層の挙動の解明、(2)曲円管圧力降下のデ-タの蓄積、などが残されている。
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