研究課題/領域番号 |
63550183
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
永井 正夫 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10111634)
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研究分担者 |
塩練 俊一 東京農工大学, 工学部, 教務職技官 (00178849)
遠山 茂樹 東京農工大学, 工学部, 助教授 (20143381)
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キーワード | 軽量弾性車両 / アクティブサスペンション / 反発形磁気浮上 / 安定性 / 最適レギュレータ / アクティブ制御 / 振動制御 |
研究概要 |
まず車体と台車とで構成される車両の基本的な支持形態を模した小型模型実験装置を製作した。台車の支持は磁気エネルギ特性に優れた希土類磁石による反発形永久磁石方式とした。また車体と台車との間の2次支持としては、コイルばねに並列に空気圧シリンダを配置し、その空気圧を電磁弁の開閉により制御できるアクティブ・サスペンンションとした。制御系の構成は、車体と台車とに取りつけた加速度計と変位計とから得られる信号を16ビットのマイクロコンピュータに入力し、最適制御則を計算した後、空気流量を調整する電磁弁の開閉をPWM方式でコントロールするものである。最適制御方式は多変数のレギュレータ理論に基づくもので、評価関数としては車体と台車の運動エネルギーとポテンシャルエネルギを考慮した2次形式とした。この車体と台車は各々、片持はりで回転支持され、振動実験は油圧電気式加振機を用いて、ステップ応答、周波数応答及び不規則波形によるランダム加振による応答の解析を行なった。実験とともに装置の数学モデルを作成して、計算機シミュレーションを行ない、実験結果の妥当性の検証とともに、理論的に振動特性の性能解析をした。これらの実験及び理論から以下の主な結論を得ている。(1)2次支持をアクティブに制御することにより、共振周波数付近での振動抑制効果が大きい。(2)反発形磁気浮上系のように、台車一軌道間に減衰がほとんどない場合でも、車体と台車を含めた全体の系の安定性が高められることが確かめられた。(3)エネルギを考慮した評価関数を用いた最適レギュータが車両の安定性とともに乗心地の向上にも有効であることがわかった。(4)理論モデルは実験結果を良く説明しうるモデルである。今後は、より実際的な問題に拡張した場合の諸特性について検討する必要がある。
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