研究課題/領域番号 |
63550187
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械力学・制御工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 進 京都大学, 工学部, 教授 (90025875)
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研究分担者 |
本田 善久 京都大学, 工学部, 助手 (60181559)
松久 寛 京都大学, 工学部, 助教授 (00109034)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 動吸振器 / 準能動制振 / 片持ばり / 反共振 / 電磁ダンパ |
研究概要 |
理論解析としては、多自由度主振動系に力とモ-メントの働く片持ばり形動吸振器での制振を定式化し、最適調整法や性能評価法を見いだした。1自由度系では動吸振器の固有振動数を加振振動数に一致させれば反共振になるが、多自由度系ではずれがある。しかし、位相差は90°になるのでこれを利用すると正確に反共振を実現できる。この原理を使って、動吸振器を自動調整するアルゴリズムを作った。これは、まず、加振振動数を測定し、パソコンに記憶しているωと最適な動吸振器の長さのに関係にしたがって疎調整を行う。次に主系と動吸振器の位相差が90°になるように微調整を繰り返す。ωが大きく変動したときは疎調整からやり直す。 このアルゴリズムで、まず主系として片持ばりを用いて実験を行った。その結果、主系の共振点近傍では20〜30dBの制振が得られ、他の領域でも数dBの制振が得られる。つぎにエンジンなどの制振を考慮して、4点でばね支持された剛体について実験した。この場合は、主系は並進と2方向の回転の3自由度をもつ、したがって加振振動数によって振動モ-ドの節線が異なってくる。よって片持ばり形動吸振器の取り付け位置のみならず方向も問題となる。そこで、3点の変位を測定し、節線を算出し、節線に直角になるように動吸振器を回転させるシステムを作った。これにより、動吸振器の向きと固有振動数を常に最適に保つことができ、質量比が1.5%ぐらいの動吸進器で15dBぐらいの制振が得られた。 加振振動数ωがゆっくりと変動し、動吸振器が遅れなく追随するときは、反共振点を維持することができる。しかし、追随に遅れがあるときには、過渡的に反共振点から離れるので、そのときは減衰を大きくするなどした方がよい。 なお、本手法をダクト音の共鳴器による減音にも適用することができた。
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