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1990 年度 実績報告書

高速高精度振動解析のためのアルゴリズムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 63550190
研究機関九州大学

研究代表者

末岡 淳男  九州大学, 工学部, 教授 (80038083)

研究分担者 岡部 匡  九州大学, 工学部, 助手 (00185464)
綾部 隆  九州大学, 工学部, 助手 (50127958)
キーワード振動解析手法 / 伝達影響係数法 / 伝達マトリックス法 / 非線形振動 / 安定性 / 増分調和バランス法 / 強制振動 / 動的影響係数マトリックス
研究概要

昨年度までは,直列型層状構造物,二,三次元樹状構造物および可変パラメ-タ系の自由振動解析に重点を置いて研究してきた。本年度は,自由振動解析における伝達影響係数法の利点である高速高精度計算手法を十分に生かして,線形強制振動応答解析および非線形振動解析手法の開発を行った.
まず,直線状構造物の面内曲げ線形強制振動応答解析を定式化した。自由振動解析において,伝達影響係数法の欠点は振動数方程式中に極が存在することである。しかし,線形強制振動応答解析を行う場合,その極をまったく意識する必要はなく,自由振動解析よりも取り扱いが簡単である.また,伝達過程の1つは,左端から右端への,いわゆる内力に対する動的影響係数マトリックスの伝達と外力に対する応答ベクトルの同時伝達の過程からなる。これらを同じ係数行列を有する連立方程式で解く.各節点の変位ベクトル,カベクトルは,逆に,右端から左端へと順次求められる.強制振動解析においても伝達影響係数法の高速高精度を確認することができた。
伝達影響係数法の概念を非線形振動応答解析に適用した。調和バランス法と伝達影響係数法の概念を,増分法を用いて結合・統合した増分伝達影響係数法を新たに提案し,非線形要素を含む最も基本的な直列型振動系にそれを適用した.また,同時に,得られた定常振動解の安定性を能率的に判別するための手法について提案した。本手法は,非線形系の定常振動応答を望む精度で,しかも高速に計算できるアルゴリズムを有し,とくに,非線形大規模多自由度系で高精度応答解を求めるのに適していることが判明した.数値計算の対象として,断片線形系の非線形振動を高速高精度に取り扱えるように,高速フ-リエ変換の利用とは異なる直接的な手法を試みた。これに関しては,鋭意研究中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 末岡 淳男: "伝達影響係数法による多層構造物の自由振動解析(第5報,二層構造物の考察二,三)" 日本機械学会論文集. 56. 555-560 (1990)

  • [文献書誌] 近藤 孝広: "Free Vibration Analysis of a Multiple StraightーLine Structure Regarded as a Distributed Mass System by the Transfer Influence Coefficient Method" JSME International Journal. 34. (1991)

  • [文献書誌] 末岡 淳男: "変形伝達影響係数法による可変パラメ-タ系の自由振動解析(変厚円板に対する定式化)" 日本機械学会論文集. 57. (1991)

  • [文献書誌] 近藤 孝広: "伝達影響係数法による樹状構造物の自由振動解析(第1報,二次元樹状構造物に対する定式化)" 日本機械学会論文集. 57. (1991)

  • [文献書誌] 近藤 孝広: "伝達影響係数法による樹状構造物の自由振動解析(第2報,三次元樹状構造物の取扱いと数値計算結果)" 日本機械学会論文集. 57. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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