研究課題/領域番号 |
63550207
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
石崎 彰 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40143812)
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研究分担者 |
斎藤 和夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (10143827)
赤木 泰文 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80126466)
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キーワード | 超高速可変速駆動システム / リラクタンスモ-タ / 有限要素法 / 塊状回転子 / 高調波磁束密度 / うず電流損 / スロット高調波磁束 |
研究概要 |
超高速可変速駆動システムに、新構造回転子のリラクタンスモ-タを用いることによって高性能化をはかることを目的とした基礎研究で、昭和63年度における研究の結果、塊状回転子の場合には、高調波磁束によるうず電流損が、高速回転の限界を決める上で極めて大きな要因であることが明らかとなった。 このためうず電流損の精度の高い計算が必要となった。うず電流損の原因はギャップ磁束密度中に含まれる高調波磁束であるが、高調波磁束には、回転子構造の磁気的非対称性から生ずる成分と、固定子のスロット高調波成分とがあり、両者の回転子うず電流損への影響は著しく異なるので、発生要因毎に分離して計算する必要があることが明らかになった。しかしこの分離は容易では無く、この問題の解決に時間を要したが、最終的には効果的な分離方法を考案することができた。これは回転子位置を変えて、有限要素法による磁界解析を2回行なうことによって可能となるが、かなり複雑な計算となる。試作機を50Hzで運転した場合について、この方法での計算値と実測値との比較を行なって、極めて良好な一致をみることができた。高調波磁束によるうず電流損の精度の高い計算法は今までなかったので大きな成果と言える。 この計算法で、試作機の超高速時のうず電流損を計算した結果、その損失は予想以上に大きく、温度上昇に問題があることが明らかとなった。そのため突極形について、うず電流損を最小にする設計について検討し、ギャップ長の拡大、磁極幅の縮小によって大幅な低減が可能であることを明らかにした。一方新構造についても種々の検討を加え、うず電流損の低減可能な方法について、有力な新考案を得ることができた。しかしこの新構造についての充分なシミュレ-ションは今年度内にはできなかったので、引き続いて研究を進める予定である。
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