研究概要 |
前年度までに作られた小型オゾナイザ装置によって得られた測定結果をもとに、大型同軸円筒型装置を試作し、その放電およびオゾナイザ生成特性を調べた。試作した装置の外側円筒電極(内径88mm,長さ300mm)は陽極で、内側円柱電極(外径70mm,長さ240mm)が陰極になっている。内側電極表面上に設けられた溝にはパイレックスガラス管(比誘電率4.7,外径3mm,内径1.5mm)に覆われたトリガ電極(銅線で直径1mm)が並列に24本接続されている。これらを一括接続して陰極との間の静電容量を測定したところ約410PFであった。外部電極と内部電極の間隔9mmである。電源部コンデンサC_1の充電電圧V_1は23〜33kVであり、C_1=2000,2500PFを用いた。 C_1=2000PF,直列ギャップdm=0.53,0.7および0.88mm(トリガ回路に接続されたコンデンサ容量C_s300PF)およびdm=0.53mm(C_s=200PF)の場合についてオゾン生成特性および放電特性について調べた。放電の繰り返し数は1Hzである。測定結果によると、直列ギャップの関隔dmおよびトリガ回路に接続されたコンデンサの容量C_sの値を変化させてもオゾン生成量には余り影響がなく、オゾン生成量は充電電圧に対して、いずれの場合も一つの直線(〜13ppm/kV)上に並ぶことが分かった。この測定領域(V_1=23〜33kV)ではいずれの場合も安定なグロ-放電が得られた。一方、C_s=500〜800PFとC_Sの値を大きくすると,C_s=200、および300PFの場合に比べてオゾン生成量は減少した。これは,C_sの増大により,トリガ回路に注入される電荷量が増し、予備放電による初期電子量が多くなり主電極間の破壊電圧が低下するためと考えられる。C_1=2500PFに電源部コンデンサ容量を増加させても適当なパラメ-タを選ぶことにより主電極間には安定なグロ-放電が得られた。
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