研究課題/領域番号 |
63550223
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小貫 天 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80063428)
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研究分担者 |
横井 利彰 武蔵工業大学, 情報処理センター, 専任講師 (80182682)
石山 敦士 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00130865)
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キーワード | 有限要素法 / 境界要素法 / 電磁界解析 / 三次元場問題 / うず電流問題 |
研究概要 |
現在三次元の電磁界解析において内外の研究者が用いている考察物理量は、磁気スカラーポテンシャル、磁気ベクトルポテンシャル、磁束密度、等価電流密度、表面磁荷、磁気モーメントなど多数ある。また、解析手法についても最も普及している有限要素法や最近採用が多く見られるようになった境界要素法などがある。本研究における解析手法は、過去10年近くにわたり我々が研究開発してきた「有限要素法と境界要素法の併用手法」で、すでに二次元電磁界解析でその実用性、汎用性は十分実証されてきた。そして本研究の目的は、併用手法の三次元化とうず電流問題への拡張であった。研究開始当時は、考察物理量として磁気スカラーポテンシャルAと電気スカラーポテンシャルφを用いるA-φ法を採用していたが、三次元問題において未知数の数が多くなってしまうという大きな問題がある。そこで、未知数を減らすという数値解析上の問題と解の精度を上げるという目的から、新たに磁界の強さHと磁気スカラーポテンシャルφを考察領域によって使い分けるH-φ法を有限要素法と境界要素法の併用法に適用することを試みた。そして電気学会(三次元電磁界計算技術調査専門委員会)で提案された三次元解析用の基本モデルの解析を行ない、その妥当性と有効性を確認した。また、うず電流問題専門のモデルも検討中で、案がまとまり次第製作の予定である。三次元解析の実機への応用は、計算機容量の制約から現状では要素分割がかなり制限されるため、本年度は予定どおり二次元および、三次元回転対称問題にとどめ、MRI装置(核磁気共鳴による医療用画像診断装置)用高均一超電導マグネットの最適設計、誘導加熱装置(癌温熱療法ハイパーサミア装置)におけるうず電流分布の最適化、角筒型リニア誘導機の一次電流の最適化などを行い良好な結果が得られた。
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