ガ-ネット結晶薄膜導波路を用いた集積型光増幅素子の研究

1990 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 63550254
• 研究機関: 豊橋技術科学大学
• 研究代表者: 宮崎 保光 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00023169)
• 研究分担者: 後藤 信夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (60170461)
• キーワード: 光増幅 / 光集積回路 / ガ-ネット薄膜 / 光導波路

研究概要

1.信号光源用LD励起波長可変YAGレ-ザの作製
Nd^<3+>ド-プYGG薄膜光増幅素子に適した信号光を得るため、レ-ザ共振器内に厚さ0.14mmのエタロン板を付加した波長可変YAGレ-ザの作製を行った。共振器内エタロンの角度調整により、波長1061.5nmで0.5mW、1064nmで2mWのレ-ザ出力を可能にした。
2.光増幅特性
信号波長1061.5nmを用いて素子の増幅特性を測定した。信号光強度を10〜100μWの範囲で変化させて行ったところ、信号光強度の増加にともない増幅利得に飽和を生じること明らかにした。10μWの信号光強度に対しては、ほぼ直線状の増幅利得を示し、ポンピングパワ-13mWにおいて3.7dBの単一通過利得が得られた。これに対し100μWの信号光強度では、同様のポンピングパワ-における単一通過利得は2.2dBであり、利得飽和による影響が現れる。
3.雑音(S/N)特性
光励起の際に生じる自然放出による雑音(S/N)特性を測定した。その結果、S/N比はポンピングパワ-の増加により減少した。また信号光強度の増加に対しては、増加することがわかった。10μWの信号光強度に対しては、ポンピングパワ-13mWでS/N比は5.4dBであった。現在、増幅利得の向上とともにS/N特性の改光も検討中である。
4.薄膜作成条件の詳細な検討
増幅素子の特性は、薄膜の作成条件により影響を受ける。現在のところ、スパッタ基板温度600℃、アニ-ル温度1000℃という最適作成条件が得られている。しかし、高利得化には格子欠陥等の少ない、より優れた結晶性薄膜を作成することが要求され、現在さらに詳細な検討を行っている。

研究成果

• [文献書誌] Y.Miyazaki,M.Wada,T.Matsushita: "Amplification Characteristics of Nd:YGG Thinーfilm Waveguide Pumped with LD." Optical Amplifiers and Their Applications.WA6. 226-229 (1990)
• [文献書誌] K.Hasegawa,Y.Miyazaki: "Optical mode conversion propaties in Bi:YIG thinーfilms Using Magnetostatic Surface Waves." Third Optoelectronics Conference (OEC'90). 13D1ー4. 286-287 (1990)
• [文献書誌] K.Hasegawa,Y.Miyazaki: "Chracteristics of Integrated Optical Devices Using Magnetostatic Surface Waves." Jpn.J.of Appl.Phys.29 Suppl.270-273 (1990)
• [文献書誌] N.Goto,Y.Miyazaki: "Integrated Optical Multi/Demultiplexer Using Acoustooptic Effect for Multiwavelength Optical Communications." IEEE J.on Selected Areas in Commun.8. 1160-1168 (1990)
• [文献書誌] Y.Miyazaki,K.Taki: "An Analysis of Isolation Properties of MonoーSectional Optical Isolators Consisting of Magnetooptic Guide Layers and Substrates." Trans.IEICE. E73. 695-704 (1990)
• [文献書誌] 和田 充弘、宮崎 保光: "Ndド-プガ-ネット薄膜を用いた導波型光増幅素子の増幅特性" 電子情報通信学会技術研究報告. MW90ー147. 13-18 (1991)