本年度の研究実績を下記する。 1.センサ用圧電振動子の等価回路考察 構造の最も簡素な横振動音片に関する角速度センサとしての等価回路について、漏れ電圧の無い基本的な場合と漏れのある場合の表示を整理し、実用に便ならしめた。 2.センサの設計条件の検討 高安定センサ実現の観点から、駆動側共振周波数が多少異なっても検出感度及び印加角速度による入力インピーダンスが殆ど変化しない構成について検討を行い、振動子端部にインダクタンスを挿入する方法を提案・発表した。さらに、実験的検討が必要である。 3.位相検出法の検討 圧電振動子の製作精度がセンサの漏れ電圧の大きさのバラツキに大きく依存し、位相検出による印加角速度検出の感度を大きく左右する。そこで、この漏れ電圧を外部から安定に制御する方法について検討し、その実現の可能性を見出した。引き続き考察することが必要である。 4.センサの試作と特性測定 購入機器によるセンサ特性の測定を行ったところ、高安定なセンサを実現するには、振動子の駆動及び信号検出回路を次の様にする必要があることがわかった。即ち、駆動側は温度変化や上記の入力インピーダンス変化の影響を受けない自励振式の振幅制御の可能な駆動回路にする必要があり、その試作を行った。また、信号検出回路を試作した。さらに、これらの調整及び最終設計条件下における振動子との一体化、そしてその総合的考察が次年度の課題である。
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