本年度は、静電誘導デバイスのスイッチング特性を表現する数学モデルを計算機ソフトウエアとして開発し、SPICEなどと類似の電子回路の過渡現象解析プログラムと組合わせてドライブ回路、スナバ回路、負荷回路を含めたスイッチング特性をシミュレーションし、素子特性、デバイスパラメータと回路定数の最適な関係を導くことを目的とした。まず研究プロジェクトの詳細計画を確定し、プロジェクトの実施に必要なツールの開発を中心に研究を進めた。 (1)デバイス及びスイッチング回路の解析モデルの確立 静電誘導サイリスタ(SITh)、静電誘導トランジスタ(SIT)につき、既存のデバイスに関するデータを収集、分析して、研究の対象とするデバイス構成(デバイスパラメータを含む)とその標準的なスイッチング回路構成を定めた。 (2)デバイスの数値解析モデルの導出と過渡解析プログラムへの組み込み 既に開発されている素子内部特性の2次元解析プログラムを用いて(1)で導かれたモデル素子のスイッチング特性を分析し、等価的な集中回路モデルを求めた。これを外部回路に対応する回路解析プログラムに組み込み、デバイス毎にスイッチング特性の解析を行った。
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