(1)多くの最適化問題は多目的的であるが、各目的関数は、より分散的(疎)、より集中的(密)といった特徴をもっていて、それらを一括して扱うよりは、夫々別途にネットワーク表現を行って、並列もしくは直列にオーバーラップさせる方法を、確率的最適化のアルゴリズムの枠内で実現した。これは特徴ある情報構造をもったサブ・オプティマイザーを並列に働かせて全体の最適化を行う方法で、分散アルゴリズムの一般化と言える。 (2)集合並列計算の高速化、デッドロック・フリーのための分散同期、集中-分散の組合わせについては、分散同期はほとんどすべての様相が隣接関係にある完全グラフ構造に対応し、大規模な問題ではかえって能率がよくないことがわかった。部分的な分散同期や分散・集中の適当な組合わせがのぞましいが、それも適応的な方法が重要と思われる。目下検討中である。 (3)大局的な最適化を実施するためのアニーリング法については、VLSIの配置、配線問題など組合わせ的最適化問題に従来用いてきたが、更にその有効性を立証するために、より情報度の高い連続系の最適化問題の適用を試みた。連続系の問題として非線形抵抗回路網の解析問題を取り上げ、一応の結果を得たが、更によいアルゴリズムを得る様目下研究続行中である。
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