角形鋼管柱の中にコンクリ-トを充てんした供試体、角形鋼管柱のみの供試体、およびコンクリ-ト柱供試体にねじり荷重を与える耐荷力実験を行い、以下のことが明らかになった。 (1)合成柱供試体の終局ねじりモ-メントTuscは、鋼製柱供試体とコンクリ-ト柱供試体との終局ねじりモ-メントの和である累加ねじりモ-メントの17〜23%となった。すなわち、かなりの合成効果が期待できることがわかった。 (2)終局ねじりモ-メントTuscは、充てんコンクリ-トの終局せん断応力にコンクリ-トの圧縮強度の1/2を用いて、塑性理論により求めた充てんコンクリ-ト断面の全塑性ねじりモ-メントと鋼断面の全塑性ねじりモ-メントとの和で精度よく推定することができる。 (3)作用ねじりモ-メントTが0.7Tusc以下の領域におけるねじり剛度は、弾性理論により求まる鋼断面とコンクリ-ト断面との累加剛度により精度よく推定することができる。 (4)T=Tuscとなるときの終局ねじり角は、鋼とコンクリ-トとのヤング係数比nとして12を用いた弾性解析によって精度よく求めることができる。 (5)合成柱供試体は、終局状態に達した後、ねじり変形が増加してもほとんどねじり耐荷力は低下せず、非常に大きな変形性能を有していることがわかった。 (6)合成柱供試体において、鋼板とコンクリ-トとの境界面における付着強度は、ねじり剛度および終局ねじりモ-メントにほとんど影響しないことがわかった。
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