1.コンクリ-トを充てんした鋼製円管短柱の圧縮終局荷重は、鋼管の降伏軸力と充てんコンクリ-トの圧壊荷重との和である累加荷重の30〜60%増しとなった。これは、充てんコンクリ-トが3軸応力状態になり、見かけ上、圧縮強度が上昇したためである。 2.コンクリ-トを充てんした鋼製角形短柱の圧縮終局荷重は、累加荷重で評価できる。その際、合成柱の鋼板要素は、周辺固定支持の圧縮板にモデル化して、その強度評価を行うことができる。 3.平鋼板および突起付鋼板と充てんコンクリ-トとの境界面における付着挙動および付着強度を明かにした。 4.角形鋼製柱において、鋼板パネルに導入された圧縮応力が充てんコンクリ-トに伝達される挙動を定式化することができた。 5.コンクリ-トを充てんした鋼製角形部材の終局ねじりモ-メントは、鋼断面の全塑性ねじりモ-メントと、充てんコンクリ-ト断面の破断ねじりモ-メント(せん断強度としてコンクリ-トの引張強度の1.5倍の値を用いる)との和である累加ねじりモ-メントの17〜23%増しとなった。ただし、閉じ込められたコンクリ-トの強度上昇を考慮し、充てんコンクリ-トのせん断強度をコンクリ-トの圧縮試験強度の0.5倍として、塑性理論によって充てんコンクリ-ト断面の終局ねじりモ-メントを計算すれば、合成部材の終局ねじりモ-メントは、累加ねじりモ-メントで精度よく評価できる。 6.圧縮荷重やねじり荷重を受ける合成部材は、終局状態に達した後、変形が増加してもほとんど耐荷力が低下せず、非常に大きな変形性能を有していることがわかった。
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