応力τとひずみγの関係がせん断剛性Gを介して、τ=G(γ-Bγ^3)で表される非線形バネ要素と線形バネG_1とダッシュポットを直列するマックスウェル体を並列した"非線形3要素マックスウェルモデル"を要素とする層体の1次元せん断振動方程式において、底面のひずみをη_1、n=G_1/Gとし、表面でひずみが0となるひずみ分布η_1cos(xπ/2l)を仮定して、ガラーキン法により、次のような近似公式を得る。 応答ひずみ振幅・周波数方程式 応答加速度振幅・周波数方程式 a:表面応答加速度、P:無次元入力加速度振幅、ζ:無次元周波数 上記近似方程式は(1)非線形弾性層体のせん断振幅方程式の厳密解と上記方程式の数値解の比較によって、適用性を確認することができた。 (2)ひずみ分布をη_1cos(xπ/2l)+η_2cos(3xπ/2l)と仮定しη_2の影響が事実上無視できることを数値的に確認した。 (3)非線形バネとダッシュポットを直列する"非線形マックスウェル体"ならびに線形バネと非線形フォークト体を直列した"非線形フォークト体"は、既往の実験に示されるバネ軟化現象を示さないことを明らかにした。 3〜30ヘルツの低周波振動装置に切り換え精度のよい水平振動を得るのに種々工夫をこらしてテスト実験中である。関西電力喜撰山ダム、北海道電力高見ダムの地震応答データを得てバネ軟化現象を検討中である。
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