研究概要 |
平成元年度に予定した研究項目は、1.模型せん断振動実験、2.非線形ダッフィン型バネを含むレオロジ-層体のせん断理論、3.実在構造物の非線形性状に関する調査、の3項目である。 1.模型せん断振動実験については、図-1のようなブロックダイヤフラムで動的単純せん断試験を5cm厚に対し、14.16g-cm/cm^3で締め固め、加速度振幅30,50,100ガルの調和正弦波を入力し、5〜50Hzを片道25秒で往復掃引した。その結果は図-2のように明らかなスプリング軟化現象を示している。 2.非線形ダッフィン型バネを含むレオロジ-層体のせん断理論については、先ずダッフィン型バネのみによる層体の応答方程式から理論的バネ軟化現象の限界値は、ξをディメンジョンレス周波数とし、微小入力加速度に対してξの共振値をπ/2とするとき入力の増加に対して、共振値は2まで減少することが証明された。また、無次元底面ひずみηと無次元表面応答加速度振幅Aとで作られる位相平面の振動曲線からη=2/√<3>(η=1は応力最大ひずみに相当する)以上では、この層体は振動できないことが明らかになった。 3.実在構造物の素線形振動に関する調査では、地震多発地帯に位置する北海道電力の静内川上流のロックフィルダム高見ダムに焦点をあて、地震応答デ-タを調査したが、調査期間中、有効な入力強度の地震発生が生じなかった。
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